幸保が未たりて法螺を吹く 第四章 新種発見・吸入

 

おおたまジャクシ

「その人が言うホラっぼい話、まだまだあって、ある時どっかの橋の上から下見たら、こんな大きなオタマジャクシがおったんやて」
 と言って、徹子は両手で直径20センチの輸を作った。
「ぷあっはっは」
「あっ汚い。ちょっと美穂っ、人の顔に唐揚げと飛ばさんといて」
 徹子の前に座っていた美穂は、唐揚げをほおばった途端にこの話を間かされたのであった。
「ウソ、ウソ」
「そんなんおるはずない」
ルカと美春は手で違う違うと振りながらも、再び笑い始めた。
(クックック)
………………

再吸引

「まだあるんよ。覚悟しなさいね。汚い話やけど、その人の友人がトイレに入った時の話でね、大きい方しに入ったんやて。それでこれくらい出た時に紙が無いのに気が付いて、慌てて“んんっ”て、も一度引き戻したんやて」
「わあ−っはっはっは死ぬう死ぬう」
「ギャハハハハ、ウソウソ」
「イヤァー、ウソウソウソ」
「イヒーイヒー、ウソオー」またしても一斉に引っ繰り返った。
(クックック)
………………
一瞬の沈黙があり、気味悪そうに海子が言う。
「ねえねえ、さっきから奥の部屋で笑い声しない?」
「私達の話聞いて笑っとんのかしら、嫌ねえ。じゃ、ちょっと休んで食事しましょう」と言って、徹子もいささか疲れたといった表情で料理に手を伸ばした。
 とにかく今までの話を満喫したというふうな美穂が言う。
「ねえ徹子姉さん、本当にその人知らんの?私すっごく興味あるわあ」
「誰なんやろねえ」と徹子がつぶやいた時、奥の部屋のふすまが開いて、
ポロシャツにョレョレの綿パン姿の男が現れた。刺繍されている。二それはね、違君のことだよ」「あっ、亮介さん!」
胸には“美鈴美工”と刺繍されている。
「それはツージーくんのことだよ」
「あっりょうすけさん」

 

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