三重県伊勢市の医療法人なかの歯科院長のブログです

愛知学院大学歯学部同窓会 学術講演会


2013年4月21日
愛知学院大学歯学部同窓会 学術講演会(四日市)



愛知学院大学歯学部口腔解剖学講座 加藤彰子先生
「歯の構造の神秘 ーミクロからマクロまでー」

topics:
①Slavicekが述べている、エナメル・象牙境に圧受容体(propriocepter)が存在するかどうかに関しては、現在、consensusは得られていないようである。象牙質内への神経細胞は歯髄近くまでしか伸びていないので、圧受容能が存在したとしたら、痛み感知の動水力学説と同様に象牙質内の組織液の流れを歯髄の知覚神経が感知するものと考えられる。
②Tissue engineeringで歯胚を造ることは出来得るが、歯の種類の分別や萌出方向のコントロールが可能になるかはまだ未知の状態である。毛根の再生の方が実現が早いであろうとのこと。歯科医師としては少し残念ではあるが、最近薄くなった自分の髪を思うと嬉しくもある(笑)。
③歯冠の形態は遺伝子で決定されるが、歯根の形態は、歯が萌出する方向、咬合力の方向により変化する。
④歯の神経に側枝が存在する理由:胎生14週位から下写真のように内エナメル上皮、外エナメル上皮が伸びて歯根を形成する際、血管、神経が多くある部位「歯小嚢」では、太い神経、血管を避けて(太いため切断不可能で避けざるを得い)歯根が形成されるため。私は、神経の血流量を確保するよう神様が設計したのかと思っておりました(笑)。
実は、この側枝の存在が、われわれ歯科医師の根管治療を阻む大きな要因となっており、神経を保存すべき理由の一つです。

懇親会で口腔解剖学講座 大野紀和教授がわざわざ私の席まで以上の質問に答えに来ていただき恐縮しました。大野教授、誠に有難うございました!!

上の写真の模式図が下になります


愛知学院大学歯学部小児歯科学講座准教授 小野俊朗先生
「どうしています?子供の歯の外傷」

topics:
歯が外傷でかけたり抜けた際には、欠けた破片、抜けた歯を探して持参した上、出来るだけ早く歯科医を受診してください。歯が抜けて地面に落ちたた場合は、歯は水道水では洗わず(水道水には、歯根膜を傷つける成分が含まれることがあるため)、牛乳で洗い牛乳につけたまま持参してください。
詳しくは、当院旧HPを参考に。
当院旧HPには、抜けた歯が汚れている場合、水道水で短時間洗うよう書かれておりますが、もし近くに牛乳があれば牛乳で洗う方が良いですのでご注意ください。