伊勢の能楽 〜能楽のすすめ〜
お能と言う言葉を聞いて、どのようにお感じでしょうか?
「古臭い、わかり難い」など。
しかし日本に生まれ、六百年を越える伝統をもつ「能楽」は世界で最も古い演劇と言え、我が国特有の「能楽」は豊かな内容と永遠の未来を持つ演劇と言えます。
曲目は二百番を越え、その物語の内容は「神、男、女、狂、鬼」と豊富であり 能 舞囃子 仕舞 そして 謡 と楽しみ方も様々です。
古来、神宮の神域であった伊勢の地には「伊勢三座」と言われた能楽(猿楽)の座、和屋(後に和谷と改む)、勝田、青尾の三つの座があり、毎年頭にそれぞれの太夫が神宮に祝賀の神楽を奉納し、南北朝に北畠氏が伊勢の国司となると、その保護を受けて大いに発展しました。和屋座の伝統を受け継ぐ和谷家が主宰する和楽会は、地域の能楽の振興に活発に活動しております。
又「伊勢能楽連盟」は観世、金春、喜多の能の各流と狂言の大蔵流により構成され、演能活動により地域の文化の高揚に貢献致しております。
「能楽」を習うには一般に、先ず 謡 をならい、あわせて良い場面だけを舞う「仕舞」、さらに囃子(笛、小鼓、大鼓そして太鼓)が加わる「舞囃子」を習得します。経験をつみ、熟練すれば 能 を演ずることも許されます。何しろ六百年を越える伝統を持つ、我が国特有の伝統芸能でありますので、大変魅力のある芸事であると思います。
能楽 を習うと多くの徳(めぐみ)があるとのことです。
その内の二三を紹介しましょう。
*薬なくして鬱気を散ず
*行かずして名所を知る
*友無くして閑居を慰む
*祈らずして神徳を得る
*習わずして歌道を知る
等など「能楽」を楽しむのは様々とは思いますが、日頃の世間を離れ幽玄の世界に入り、芸を楽しむのは如何でしょうか。